2017年5月25日木曜日

見事な昇華/『メッセージ』感想(その1)


映画になった『あなたの人生の物語』、ようやく見ることができました。
未見の方はとにかくご覧ください。予想以上でした!

まずはそれを書きたいです。映画としてすばらしい出来映えでした。原作ファンの目線でも文句なし。それどころかそんな言い方はおこがましい、期待をはるかに超えた完成度。大袈裟でなく、SF映画としては『惑星ソラリス』や『2001年宇宙の旅』の系統の感触で、ああいった映画と並ぶ名作として残ると思います。女性が主人公の映画としてもエポックメーキングです。

自分は基本ただの映画好きですが、今回は原作刊行時以来テッド・チャン氏のファンでもあるため、特に原作からの脚色部分に興味が行っています。それで以下の感想ではいわゆるネタバレも含みます。ネタバレというとなんか軽いんですが、この映画は主人公の言語学者ルイーズ・バンクスの視点で語られる一人称の物語であり、観客は彼女が作中で味わう驚きを一緒に体験することになり、そこが映画の構造の大事な部分の一つです。それを味わい損ねるのは損だと思います。自分を含め、原作を読んでいるとその「驚き」は彼女と共有できません。記憶を消せるならそうして見たいですけれど(笑)、その代わりに、原作からの昇華の妙にうなることにします。

そんなわけで、以下の感想では両者の比較を含めて大切な部分にも触れます。未見の方はぜひ見てからお読みください。

*      *      *

思いつくままに項目で書き出したので、目次を書いておきます。
・導入部
・この映画の「ロロ・トマシ」
・編集
・「子供を作ろうか?」
・映像の質感
・音楽
・スケールアップしたのに、ドンパチがない
・パンフ

導入部

冒頭で娘の誕生から死までを見せてしまう。原作とは違う導入部。ここからがっつり「映画として」つかまれました。白状すると、ここでもう泣いてしまいました。シークエンスに泣けたのもあるし、脚色や演技、映像のトーン、その他いろいろのレベルが高いのが、ここでもう確信できて感激しまして。そのあとも「殻」やエイリアン自体をなかなか見せず、丹念に塗り込めていくようにリアリティを高めていきます。「見せない」ことをうまく選択するのは、映画には(いや、映画に限らず)とても大切ですね。これに注意が払われているために、題材が化け物じみていても精神年齢が高く映る映画がたくさんあります。

娘が亡くなる年齢は原作の25才からかなり幼く変わりました。これも効果的でした。チャン氏自身も女優がエイミー・アダムスであの見た目と年齢なので、原作通りの年齢の娘にするのは不自然だと現実的なコメントをしているのを以前見かけました。(映画として必要な措置だと原作者が理解してらっしゃるのが、おこがましいですが嬉しいです。惚れ直しました)女優に合わせた、どころではない効果が上がっています。ルイーズの痛ましさが強烈なものになっているのです。子供の死因も違います。原作では成人後にロッククライミングの事故で亡くなり、映画ではたぶん小児ガン。これも、ラストの「わかっていても選択し、一瞬一瞬を大切にする」というところに生きてきます。

「ティーンエイジャーの娘をガンで失ったルイーズ」は、「25才の娘をロッククライミング中の事故で失ったルイーズ」よりもさらに痛ましいです。娘が弱っていく様子をずっと見守らなくてはならない母親。それを丸ごと最初に見せることで、観客は彼女に同情し、彼女に寄り添った形でうまく映画に入っていけます。

また、映画では軍人がより知的な雰囲気になっています。ただし、あくまで軍人だというところははずれていない。フォレスト・ウィテカーの演技も見事。原作の軍人は(ルイーズのコミカルな批評もあって)もう少し愚直な印象でした。比べると映画のほうが好みです。ジェレミー・レナー演じる物理学者のイアン・ドネリーは、原作とあまり違わない印象。ちょっとナンパっぽいところも原作通り。(名前が原作の「ゲーリー・ドネリー」から「イアン・ドネリー」に変わっていますね。主人公や大佐の名前は変わってないのになぜだろう? 個人的にはちょっとした偶然があって嬉しいですけど……(笑))

この映画の「ロロ・トマシ」

これは自分用語なので説明を。「小説としては欠けではないけれど、映画にするには『足りない』もの」。それがここで言うロロ・トマシです。『L.A.コンフィデンシャル』にあったモチーフで、ご覧になった方は覚えていらっしゃると思います。メインキャラの一人が警官になったきっかけで、クライマックスにかけて重要なキーワードになります。これは原作にはありません。…しかしこれが映画の転換点を創るキモになり、これなしには映画として成立しないくらいです。ある意味別の物語を挿入しているわけですが、それでいてベクトルはズレていないのです。(当時映画館に通い詰めまして、何でこんなに面白いんだと原作に興味が湧き読んだのですが、ロロ・トマシが原作にないのは衝撃でした。同時に脚色ってこういうものなのか、と理解できました。アカデミー賞の脚色賞を受賞している作品です。横道ですがこちらも超おすすめです!)

今回も、「ロロ・トマシ」に当たる要素が追加されています。それがアメリカはじめ各国の軍事関係のディテールと、特に中国の軍人のくだり。これは原作にはまったくないし、最終的に「彼ら(ヘプタポッド)は何をしにきたか」も原作には出てこない要素でした。だから、クライマックスで電話を奪ったルイーズが「でも何を話せばいいの。どうしよう」というシーンは原作を読んでいてもハラハラできました。(嬉しかったです!)中国の軍人のくだりは映画そのもののテーマに触れるモチーフになりました。これを加えたことで映画としてスケール感と情感が増し、ストーリーの落としどころも整い、原作とは違うテーマも盛り込むことになった――これは改悪ではなく良い「脚色」だと思いました。映画と小説は文法が違うために行われることで、むしろ原作が小説の場合は、作品の質を「映画として」高めるために必要なことが多いと思います。

(繰り返しますが、これは原作に小説としての欠けがあるということではありません。「ロロ・トマシ」はあくまで映画の形態で必要なものです。ロロの比喩は『あなたの人生の物語』映画化を聞いた時点でも書いたのですが、じつはその後原作者のチャン氏も、原作小説と映画の関係を語るときに『L.A.コンフィデンシャル』に言及していました。やはり映画を見てから原作を読んだのだそうです。そちらではロロの話は出ませんでしたが、ちょっと嬉しい偶然でした)

編集

ちょっと見ていてきつくなってくる、あるいはダレてきそうだと思うタイミングで、うまく「世界がどう反応しているか」の現実的なニュースが挿入されます。プロットというより観客の生理を考慮してるように感じられるので、実際に編集段階で工夫していったのでは。(パンフで確認できました。物語の構造自体が編集室でようやく固まった、とのこと)これが気を逸らすのではなく、それ自体が進行していくストーリーで、リアリティもその都度補強されます。最後にはそこがルイーズの物語と融合。これも原作にはなかった要素。見事です。

「子供を作ろうか?」

原作からの台詞の流用は少ないように感じました。ルイーズのキャラが少し変わっているので、合わせて原作にあったジョークのたぐいもなくなっています。その中でキーワードと言えるこのドネリーの台詞はやはり使われていましたね。(原作の邦訳では「子供は作りたいかい?」。原語では同じ台詞だと思いますが、原作版の訳は「意志を聞いている」ことがより明確になっていると思います)これは予期していたことでもありました。原作はこの台詞で始まり、この台詞で終わるようなものですもんね。

「ええ」と答えるルイーズは、それを選択するのだ、という意志を込めています。行く末がああなるとわかった上で――幼くして病気で死ぬ子供ができるのだと知った上で――それを選択するのだ、という台詞です。原作は死因が事故だからちょっとニュアンスが違います。これも映画オリジナルの工夫が実を結んでいると思います。原作の印象的な最後の一文を心の声としてナレーションで使うこともできたと思うんですが、映画ではやはり、画面で見せるほうがいいですね。

映像の質感

曇り空の、湿った質感。イギリスか北欧の映画のようです。アメリカ映画では珍しいと思うけれど、最近はそうでもないのかもしれませんね。ニュアンスとリアリティがある色調・質感でした。

音楽

SFには違いないけれど、作品の感触は『2001年宇宙の旅』や『惑星ソラリス』の系統。そのムードを作り上げていたのが音楽でした。すごく独特ですばらしいです。夢の中にいるような気分で帰ってきたのはこのおかげ。

スケールアップしたのに、ドンパチがない

これはほんとに素晴らしいことだと思いました。皮肉に言えば「ハリウッド映画なのに」です。スケールが画面の派手さではなく、概念の大きさになっている。ドンパチをどう回避するのか、という大きなテーマはやはり原作にはなかった要素で、これは今の世界状況で見るとまた重要な意味を感じますね。

パンフ

小さくて品がよく、内容も写真とプロダクションノートとキャスト等に比較的多くのページを割いていて好感を持ちました。最近はパンフレットに失望させられることが多いので……愚痴になりますが、やはり作品そのものの一次資料的なものが読みたくてお金を払うんですよね。それが最近は半分以上日本のライターさんの感想文、ということも時々あって、申し訳ないけれどうんざりしてしまうことが多くなりました。もちろん作品の理解を深めるための記事は別ですが、一般論としてよほどの縁(ゆかり)の人物でなければ、単なる感想文・称賛文は作品パンフ以外で読めば充分だと思います。作品を見る立場で手にするものですから、「そこを考えるのは観客の楽しみ」という部分もありますし。…まあ大人の事情はいろいろあるのだと思いますが。(あ、現に書いておられる方々に対してどうこう、ということではないので念のため! パンフのコンテンツを企画する際にこうしてほしい、というササヤカな願いです。ビンボー人には安くないお買い物ですから(笑)。しかも中を確かめられませんしね)

今回は特に原作に思い入れもありますし、情報はネットで探せるので最初は買わないつもりでした。でも作品があまりによかったので、少しでも監督や脚本家の言葉が読めたら、そして記念にもなると思って購入しました。日本の寄稿者さんは今のところお名前だけしか拝見していませんが、唯一「もし寄稿しておられるなら読んでみたかった」、『あなたの人生の物語』の訳者、公手成幸さんはおられませんでした。この作品自体を訳した方の目線での映画に対するコメントなら読んでみたかった。残念です。ふだんは訳者さんの存在を意識しないのですが、この短編に関しては独特の文体がすごく効果を上げているので……。(お読みになった方は同意していただけると思います☆)

そしてやはりチャン氏のファンとしては、ライターさんや評論家さんのどんな名文よりも、原作者のまとまったコメントを載せてほしかったなー……というのが本音です。ご本人は公式サイトもSNSもやってない方で、なかなかご意見とか目にできないので……。(海外ですでに出ている販売ソフトの特典映像では、たくさん話していらっしゃるようです。日本盤でも字幕をつけて入れてくれるかしら? その一部でいいからテキストにしてパンフに載せてほしかったなー……)

*   *   *   *   *

「武器」の話とか映画で省かれた要素についてとか、まだまだ書き出してるんですが(^^;)、キリがないのでひとまずパート1とします。見てきた日のとりとめない感想から愚痴まで(笑)、お付き合いくださりありがとうございました!

映画化されてほしい、と思っていた作品ではないけれど、あの自作に厳しいチャンさん自身が満足しているとのコメントを読んでからは、とても楽しみになっていました。ほんとに歴史に残るSF映画の一本になるのでは。贔屓目抜きでそう思います。SFうんぬん抜きにしても、こんなにすばらしい形で小説が映画化=昇華されることは稀です。原作に細部が忠実かどうかでなく、映画としての完成度という基準で。自分の見たなかでは、それこそ『L.A.コンフィデンシャル』以来の快挙じゃないかと思えます。

余談ですが、映画に引力があった証拠では、と思えるお話を。昨日見た時、じつは隣の席にすわったおばさまが袋入りのポップコーンとボトルのジュースを持ち込んでいたんです。(持ち込み可の劇場でも音の出る袋の時点でアウトですが、今回は持ち込み禁止の劇場です!私もロビーで飲んでたペットボトルはバッグに入れたままだったけど、劇場内では飲みませんでしたよ☆)それを予告編のときにがさがさ封をあけて膝に置き、わざわざ映画が始まるまで待っていたんです。

上映中に袋をガシャガシャやられたんじゃたまらないなあ、食べるなら始まる前に食べてくんないかなあ……と気が気じゃなかったです。第一ポップコーン食べながら見るタイプの映画じゃないだろう!と立腹もしたんですが、匂いが流れてきたのは冒頭だけ。そのあとはこちらも隣人の存在を忘れて映画に入り込みました。映画に引き込まれてほとんど食べなかったんじゃないかな。導入部でみごとにつかむ構造、ここでも効果を見ました。それと、映画館で売ってるポップコーンがカップ入りである理由を改めて実感したのでした……。(笑)そして出るときに、すごく大きなキャラメルがけポップコーンのカップを持ってる方たちを見かけましたが、ほとんど減ってませんでした(笑)。やはり引き込まれて食べるどころじゃなかったんじゃないかな……こんなところにも、いろいろ表れるものですね。観客はかなり入っていました。レディースデーながらおじさん率高めだったのも印象的。お手洗いではちょっとわかりにくかったところを話していた人もいたので、そのへんはまた改めて。でも、いわゆる「SF映画」ってふだんはわりと若い人の見る映画というイメージですが、この映画は「大人」のかなり上のほうまでアピールする映画じゃないかと思います。

*      *      *

関連過去記事等

(ブログ過去記事から)



(PCサイト内)

2017年5月21日日曜日

存在確認❤/"Churchill" "Stan Lee's Lucky Man"

久しぶりにIMDbのジョナサン・アリスさんのページを偵察に行ったところ、いろいろ収穫があったのでとりあえず自分が眺めるために(笑)記録を!

まずは"Churchill"(チャーチル)のトレイラーが上がってまして、YouTubeにもいくつかあり、なんとアリスさんのお姿が確認できました!舞い上がって埋め込みます! 0:30あたりと1:04あたりにお出ましです❤ (主演のチャーチル役はブライアン・コックス。こちらも大好き❤)


ひとつめの会議室のシーン……衣装軍服ですよ!? 軍人? 役名"Mallory"としか書いてないんですが、似た名前だとチャーチルが首相だった二次大戦の時期に、空軍中将のトラフォード・リー=マロリーという人物がいて……以前「まさか」これではないよね? と確か書いてしまったんですが……どうなんでしょう。詳しい方だと制服でいろいろわかると思うんですが、ワタクシにはこの映像からでは判断つきません……(涙)。とにかく、少なくとも2カットは出ているわけで、『モーガン』みたいに1カット出演というわけではなさそう。劇場映画ですし、日本でも公開してくれないかなあ……トレイラーでは6月に公開となってるので、イギリスでは6月に見られるんでしょうね。

しかしThe Game、モーガン、チャーチル……とブライアン・コックスとの共演続いてますねえ。もしかしてプロダクションが一緒でバーター?(ファンにあるまじき発言)…でもシルエットが対照的で一緒に映ってると画面がいい感じです。The Gameくらいしかデータがないんですけど(笑)。上司と部下みたいな関係が続いてるので、脳内ではなんか変な方に発酵しだしてます……(笑)。あと、スティーヴン・マッキントッシュのテレビシリーズ"Halcyon"というのにもアリスさんゲスト出演してらっしゃるんですが、マッキントッシュもThe Gameで共演してますね。

そしてそして、"Stan Lee's Lucky Man"は、テレビシリーズのシーズン2なんですけど、こちらも写真を確認できました❤ ななんと検死? 検死してますよ?検視官? すごく似合いますー!見つけた写真はコラージュなんですけど、グリーンの制服着てらっしゃいます♪





こちらは主演が『ホビット』シリーズでボフールをやっていたジェームズ・ネスビットスタン・リー御大の冠番組なんですね。やはりチラッと出てるのかしら……(笑)。それはそうと、もうこの前髪の垂れたアリスさん理想! ヒゲがないと若返りますね。ある方が好きだったけれど、これもいいなあ(笑)。とにかく役柄も衣装も似合いすぎます❤ キャラはどんな感じなんだろう??? …そしてさっき言及したスティーブン・マッキントッシュもがっつり出ているので、両方好きな自分としては濡れ手に粟です! ぜひぜひ見てみたい❤ 今すぐだとDVDを買うくらいしかないですけど……ああ、日本でもやってくれないかなあ……。

その他、"The Death of Stalin"(スターリンの死)も表示がポストプロダクションになってました。原作がグラフィックノベルらしいです。役名Mezhnikov(メチニコフ)からしてやはりロシア人役ですし、特技のロシア語生かしてらっしゃるんでしょうか。これとチャーチルは題材含めてぜひとも見たいです❤

*      *      *

話は変わりますが、『メッセージ』公開になりましたね。数日中に見に行くつもりです。楽しみ楽しみ♪



 

2017年5月16日火曜日

追悼ジェフリー・ベイルドン

先日、マーク・ゲイティスさんのツイッターページを見に行って訃報を知りました。


ベイルドンさんの作品はたくさん見ているわけではなくて、兄が上げている写真の役も見たことがないです。イギリスの新聞の訃報では軒並みこの役の写真なので、あちらではこの役で馴染まれているんでしょうね。自分はピーター・カッシング主演の『フランケンシュタイン 恐怖の生体実験』の警察医役で惚れました。金髪でちょっと皮肉な表情が印象的な美中年でおられました。その他でもカッシング丈の映画でよく拝見していて、『Asylum』の印象的な役などなど、気が付くと出ている、という感じでした。『カジノロワイヤル』(デビッド・ニーブンとか出てるパロディ映画のほう)のQなんかもやっておられました。

惚れた頃にIMDbで調べまして、「ドクター・フーを演じた唯一のゲイ俳優」…と書かれていた記憶があるんですが、改めて見たらそういうことは書かれていませんね。はて? でも英語版Wikiではgay actorのタグがついていて、長年のパートナーAlan Roweさんについても書かれています。(俳優で、2000年に亡くなったとのこと)

ドクターを演じたのはオ―ディオドラマだったそうなんですが、扮装も似合いそう。見てみたかったなー。…カッシング丈関連以外の手持ちのソフトでは、グラナダ版の『シャーロック・ホームズの冒険』の『ブルース・パーティントン設計書』で、設計書の管理をしているシドニー・ジョンソンをやっています。今回改めて見てみましたが、いやー、何気にスレンダーで素敵ですね❤ 出番は少ないんですけど、オープニングでバーンと名前が出てくるのも今見ると感慨が。

もう90を超えていらっしゃいましたし、比較的最近の作品は見ていないのですが、眼福な英国俳優さんの1人でした。ご冥福をお祈り申し上げます。

2017年5月14日日曜日

コミティアご報告と近況少し

遅ればせながら、先日5/6はコミティアに参加させていただきました。スペースにお立ち寄りくださった皆様、ありがとうございました!

今回は新刊はなかったんですが、参加自体が久しぶりなので、提出した見本誌はなんと四冊。お誕生日席の横(縦方向の端っこ)で、お誕生日席との間に余裕があったので、設営やらなにやらとても楽でした。

今回もイアンシリーズのおためし短編小説無料配布をさせていただきましたが、どちらかというと男性多めのイベントでもあり、コミティアでのうちの実績のなさもあり(^^;)、自主的に取ってくださる方は少なめでした。が、目を止めて下さった方にもこちらからお勧めしたりで、(こーいうことに抵抗がなくなったのは、一年近く販売のバイトしたおかげかもです(笑))J庭の半分程度の数はお連れ帰りいただけたと思います。その後本編のkindle版も少し動いているので、お気に召していただけた方々がいらしたかな、と嬉しく思っています。(^^)今のところこうやって小さなご縁を探していくくらいしかできないので、地道に続けます。今後ともよろしくお願いします!

今回有料本で一番お連れ帰りいただけたのは、じつは洋画レビュー本でした。(ほとんどが男性だったんですが、おまけの無料配布はいちおうご確認したうえでつけさせていただきました!)こういう本ならなんぼでも作れるので(笑)、また気楽にやってみようかな、とも思います。次に出たのは刷り足した『恐怖!脳人形の館』。こちらも半分は男性だったので、お楽しみいただけてますよう祈っております。

自分のお買い物では、内田美奈子先生のグッズでクリアフォルダーとめがねふきをゲットしてまいりました♪ 「猫スーツ商会」というシリーズになっていて、スーツ姿のクールな猫さんはテテ系統(?)でかっこいいです❤ ちょっとその前に体調を崩したのもあり、「この先こんなチャンスあるかどうかわからない」とか大袈裟なことを考えて、初めてスペースで名乗ってご挨拶させていただきました。Twitterで何度かやりとりさせていただいたのを、覚えていて下さっていて嬉しかったです。ど緊張して物言いがあたふたして恥ずかしかったですが、とてもいい記念になりました❤

(あ、「こんなチャンス」って別に大病患ってるわけじゃないんです。ただ、ここ一年くらい「無理するのがテーマ」みたいな状態だったのが祟っていろいろ出てきてしまい、半病人モードが続いてるのでそんなシュショーな気持ちに(^^;)。経験から見ると、元々体力は人様の7~8割くらい(?)のようなのですが、まったくの病人というわけでもないので微妙なんです。言い訳にするのもおこがましい、というレベルに思えて。でも「無い袖は振れない」というのがこの年になってようやくわかってきたので、「世間一般で求められる体力レベル」に無理に合わせて行動するのはやめて、養生ペースを続けて自分なりの健康モードを取り戻したいです☆)

帰りは定番のチャオでオリジナルパスタをおいしくいただいて帰ってきました。(こちらもそれまで食事がおっかなびっくりだったので、久しぶりで思い切って食べた食事でした。(^^))
ともあれ、サークルとしても個人としても、いろいろリフレッシュできたイベントでした。この頃仕事でも同人誌でも文字をいじることばかりしているので、単純に絵を描きたいなあ……とも改めて思いました!

夏コミは当落がまだわかりませんが、七月にMovies Paradiseがあるようなので一応申し込みました。ジャンルはSHERLOCKで。シーズン4の第一話放送の翌日というあんまりな日程なので新刊は無理ですが、シーズン1~シーズン3の再放送が始まっているので、新たにはまった方もいらっしゃるかも、と在庫のなくなってた既刊を少し刷り足して持っていくことに。最近はSHERLOCK熱は落ち着きましたが、先日ふと電車の中で「良かった回」(ベルグレイヴィアの醜聞とか)の「良かった台詞・シーン」を脳内再生して涙腺にきてしまったので、余裕ができたら好きな回を見直そうかな、と思います。

今現在は、最近見た映画とか、テッド・チャンさん原作の『メッセージ』公開が迫ってるのでそちらに気がいっております。が、こちらは薄本作るような内容でもなさそうなので……まだ見てみないとわからないですけど、やるとしても評論系でしょうねぇ……。いずれにしろ『メッセージ』待ち遠しいです♪

ムーパラについては、また開催が近づきましたらお知らせいたしますね。(行けるつもりで書いてますが、抽選あるかもしれませんね(笑))


2017年5月4日木曜日

コミティアと無料配信のお知らせ

早いものでもう5月になってしまいましたね。というわけで、ゴールデンウィークの同人誌イベント参加とkindle版無料配信のお知らせです。両方連休終盤となりますが、ぜひぜひ。

コミティア

2017/5/6 東京ビッグサイト

配置No. W60b SUSSANRAP

コミティア自体参加が久しぶりなのですが、今回はメインがイアンシリーズなのでBLエリアに初めての参加になります。短編無料配布は続けますので、ぜひぜひ連れ帰ってやって下さい。

それとピーター・カッシングのお誕生日が近いので、しばらく品切れだったトリビュート本『恐怖!脳人形の館』をちょっぴり刷り増しました。kindle版には入っていない漫画なんかも収録しておりますので、『ローグワン』で新たにターキンに転んだ方、俳優さんに関わらず美老人萌えの方、マッド・サイエンティスト系の耽美好物の方にもぜひお読みいただきたいです。(^^)

他に、ムーパラ新刊だった洋画レビュー本も評論本の枠でOKなので持参します。

以下表紙画像を貼りますが、洋画レビュー以外は内容紹介等を乗せたものです。
詳細はクリックでご覧ください。

イアンシリーズおためし短編2点が無料配布です。
またペーパーと合わせて三点セットのパックで陳列しますので、
サクッとお持ち帰りくださいませ♪
 

その他の頒布

 

 



オリジナルオンリーなのでJ庭と同じ品ぞろえで、版権もの二次以外になります。無料配布収集だけでも大歓迎ですので、ぜひお立ち寄りください。お待ちしております。(あ、この前言及した内田美奈子先生も今回ご参加です!新しいグッズが出るようなので、買いに走るつもりです❤)


無料配信

5/5夕方からkindle版2点の無料配信を行います。コミティアでのおためし短編無料配布のフォローアップ企画でもありますが、会場にお越しになれない方も、この機会にご覧いただけたら嬉しいです。

2017/5/5 - 5/7
(夕方5時頃開始・終了)
Amazonの状態により時間が前後することがありますので、
価格欄をご確認のうえダウンロードしてくださいね♪


理屈屋ゲイの歴史ライターくん、イングランド癒しの旅。
イアンシリーズ本編一作目で、
マイルドなBL系小説です。こちらは三分冊の上巻になります。

(一冊にまとまった統合版を分けたものです。
読み放題やオーナーズ・ライブラリーをご利用の場合は統合版をどうぞ)



こちらはパロ漫で、5/1でリリース4周年になりました。
もともとキャンペーン用のため短いですが、カラーコンテンツも多く収録しています。
ぶっちゃけワトスンを萌えキャラ風に(?)愛でるだけのギャグマンガですが、
ご同好の方にお楽しみいただけたら嬉しいです♪

2017年4月28日金曜日

追悼ジョナサン・デミ/『愛されちゃってマフィア』(1988)再見

映画監督のジョナサン・デミが亡くなったそうですね。昨日マーク・ゲイティスさんのTwitterページを覗いて知りまして、びっくりしました。73歳ということはそう若くもないのですが、なぜか自分のなかでは比較的若いイメージのままだったので。

『羊たちの沈黙』ではアカデミー賞もとっていますし、こちらで有名なんですが、自分がこの監督の名前を聞いてまず思い出すのは、『愛されちゃってマフィア』というチャーミングなコメディ映画です。すごく好きで、レンタル落ちですがVHSを買っていました。その後何度か見返していますが、昨夜は追悼を兼ねて再見しました。

ジャケットも色褪せており(^^;)DVDも出ているのですが、やはり宝物です❤


主演のミシェル・ファイファーはマフィアの妻役で、旦那(アレック・ボールドウィン。今やドナルド・トランプの物まねで有名ですが、この頃はひたすらハンサムでした)が殺されてしまい、子供を抱えて仕事を探し、自活を目指します。その彼女に潜入捜査で近づくFBI捜査官(マシュー・モディン)が彼女と恋に落ちるという、ストーリーだけ取り出すとなんてことない話なんですが、これがもう最高に楽しい! 

ミシェル・ファイファーは『スカーフェイス』でどーんと来た印象もあるので、まさにこういう立ち位置はうってつけ。それを逆手にとったコメディとも思えますが、「彼女はこんなにコメディうまいんだ」、とこの作品で初めて知りました。『バーディ』からマシュー・モディンに転んでいたので、たぶん見たきっかけはその流れだと思いますが、彼は正直かすみます。(笑)でも作品として最高でした。

未亡人になった彼女に下心いっぱいに迫る元旦那のボス(ディーン・ストックウェル。恐妻家なとこ似合います!(笑))、嫉妬深いその妻(これまたハマってるマーセデス・ルール。「怪女」と「母性」を両方出せる人で、『フィッシャー・キング』も最高でした!)、マシュー・モディンの同僚(オリバー・プラット。どこにいても印象的!)、就職先の美容師(名前はわからないけど「お次のカモは?」の台詞が最高(笑))と脇役も揃っていて、とにかく見ると元気が出ます。同時に女性をきちんと描くというか、広い意味でフェミニズム的な視点を感じる映画でした。といっても肩肘張ったところはゼロで、ひたすらチャーミングなんですけれど。

これを見てから「ジョナサン・デミ」が関わる映画は見てみたいな、と思うようになりましたが、プロフィールを見るとそう見てないです。圧倒的にこの作品と『羊たちの沈黙』のイメージになっています。

…とにかく、追悼というのを忘れて、久しぶりに思いっきり楽しんでしまいました。邦題のセンスも素敵。原題は"Married to the Mob"ですが、邦題のほうが内容にも雰囲気にも合ってて軍配です。エンディングのNG(?)映像がこれまた最高。あの「踊るミシェル・ファイファー」がもう可愛くて可愛くて。他の映画では「可愛い」というタイプの役はあまりやってない方なのですが、ほんとに可愛い。そしてうまい。褒めるとこばっかりです。(笑)

名作というのではないけれど、気楽に見られて楽しくて、元気になれる一本。見返してまた元気になれました。これからも折々見返す一本になると思います。



*      *      *

別ブログに『サラエヴォの銃声』の感想をアップしました。
資料話として別の本の感想と一緒になっていますが、傑作でした!よかったら合わせてご覧くださいませ。

SUSSANRAP kindle books ブログ
『第一次世界大戦はなぜ始まったのか』と『サラエヴォの銃声』


2017年4月12日水曜日

『モーガン プロトタイプ L-9』(2016)

ええと、この記事を仕上げていたらツイッターでSHERLOCKシーズン4の放映予定が飛び込んできたので、とりあえず公式にリンクを。7/8~で、その前にシーズン1からの再放送が5月からあるとのことです。

NHK海外ドラマスタッフブログ: SHERLOCK(シャーロック)4』待望の新シーズン放送決定!

…じつはシーズン3後はちょっと冷めた境地になり、『忌まわしき花嫁』で「もう無理しなくていいよゲイティス兄……(涙)」みたいなモードになってはいるのですが……IMDbによるとアンダーソンは出ないみたいですし……(ってそこか自分。おかしいだろ自分!(笑))…とまあそれはともかく、放映したらやはり見たいので、ネタバレ回避しつつ待とうと思います❤

では、映画の感想記事にいきます。またアリスさんです。はい。(笑)

*      *      *


なんとなく行ったツタヤで見かけ、IMDbでジョナサン・アリスさんのプロフィールにあった"Morgan"……だと見当をつけて借りて参りました! リドリー・スコットの息子さんが監督したSFもので、お父上のプロデュース。まんま直訳のタイトルで助かりました!(違うタイトルになってたら絶対気づけなかった!)

内容は、遺伝子操作で作られた女の子の姿をした戦闘用新人類(?)が管理者を襲いだし……というアクションサスペンス。なんだかありがちな設定だなあ……なんて思ってたんですが、最後にひとひねりあって、なかなか深いところもありましたです。

若い女性や「女の子」がじつは戦闘能力を強化した「新種」、そして怖い展開に……というところはもう誰もが思うとおりで(笑)手垢がついてる印象なんですが、この作品では「小柄でかわいい女の子」であることが単なるサービスじゃないです。サービスでない証拠に、このキャラは「子供に等しい」ティーンエイジャーのイメージで、衣装も体型がまったく見えない。まあそれを脱いだシーンはありますけど、戦闘美女系映画のスカーレット・ヨハンソンを考えたらないも同然。(笑)あえて言えば、体型のアウトラインでかろうじてサービスするのは主演のケイト・マーラ。でもこの方もかなり小柄だし、衣装の露出度は低いです。

見た目「子供」なら周りは警戒しないでしょうし、はっきりとした戦闘・戦争とは違う「使い道」と需要がありそう。でも、よくありそうな「性的なファクターを前面に出す」という感じじゃなかったので、おなごとしては見やすかったでございます。『ローグワン』にも感じましたけど、そういう時代の流れはあるんでしょうね。

さてさて、話が飛びましたが、このモーガン「本人」の苦悩よりも、周りがどう反応するかに力点がある(ように見える)ところも、これはなかなか、と思いました。それと、まとめのシーンもまあ、ただのまとめというか、ちょっとしたどんでん返しを着地させるためだけのシーンですけど、そこも深いんですね。遺伝子操作でデザイナーベビーを作る延長で変にリアルにも感じられる。「できたもの」の能力うんぬん以前に、それに対して人がどう反応するか、という要素が多少大きめに扱われてるのは、B級SFアクションの枠では悪くないレベルに行ってると思います。

目当てのジョナサン・アリスさんは……なんと1カットの出演でした!(^^;)でもヒゲにメガネ、短い髪を七三に分けて撫でつけた、今まで見たことないルックスで台詞もありました。その台詞の言い方にもちょっと複雑な感情を込めてて(いや、深読みする必要まるで無しなとこですが(笑))、「豪華カメオ」という感じでとらえました。

豪華といえば、このアリスさんの役(1カットながらIMDbではデヴィッド・チャンスという名前あり)、ここで出てくるとあるお偉いさんのブレーンというか部下らしいのですが、そのお偉いさんを演じてるのがなんと"The Game"でMI5での上司「ダディ」をやったブライアン・コックス! そしてアリスさんよりはるかに目立つ役(モーガンの開発チームの一人)で、なんとSHERLOCKでアンダーソンと浮気していたサリー・ドノバン役ヴィネット・ロビンソン! 残念ながら(?)今回は別の方とのカップル役です!(笑)

開発チームのリーダーはトビー・ジョーンズ。もうこの方出るとへんな話でもリアリティが出る気がする。(笑)そしてチームの一人にちょっと懐かしいジェニファー・ジェーソン・リー(いや、私が出演作あんまり見てないだけかもですが)。主演にあたる、モーガンを査定しにきた危機管理コンサルタントが前述のケイト・マーラ。(見た作品は少ないけど、「ジェイミー・ベルくんの奥さん」とインプットしてました……確認したらまだ婚約中だったんですね。とにかく今回好演です!)ほかにモーガンの心理査定をする博士にポール・ジアマッティ。この役はちょっと行動が「プロットのため」すぎて不自然ではあるんですけど、この方もトビー・ジョーンズと同じで安定の「リアリティ製造機」。「役でやってるんだ」というのを一瞬忘れて「そういう人が映ってる」と感じます。名バイプレーヤーってこういうことを言うんでしょうね。

長編初監督でこれだけ脇にベテラン揃えられたのも、パパのリドリー・スコットの力かもです。とはいえ低予算なのは画面からもわかりますし、脚本にもところどころ不自然さがあるのは否めません。が、このジャンルでは敢闘賞だと思います。アクションは迫力もありましたし、投げかけているテーマも深読みすればけっこう深い。個人的に残念なのは、アリスさんが開発チームの一人でなかったこと……ああ、モーガンにやられちゃうところ見たかった……。(ごめんなさい(笑))

でも、(もし可能性があったとしても)開発チームにキャストされなかったのはなんかわかる気がするんです。チームのほとんどの人はモーガンに情を抱く設定なので。なんかアリスさん、そういうニンは弱い気がするんですよね。これまで目にしたものがタイプキャストなせいかもですが、逆に言うとあの官僚的な「いやな奴感」の醸し方はやはり武器だし。いや、別のパターンもいろいろ見たいですけど❤

…話がズレまくって失礼しました!(^^;)