2014/09/21

ヘレン・ミレン様座長公演!(←賛辞)/クリストファー・プラマー出演『終着駅 トルストイ最後の旅』(2009)

録画で見た映画の感想です。クリストファー・プラマー出演ということだけ覚えていてチェックしました。(笑) タイトルから「文豪の伝記映画」?と思っていたので、正直あんまり期待してなかったのですが……いや、素晴らしかったです!たしかに作家トルストイの晩年の話なのですが、むしろ夫婦というもののいろんな要素、複雑さのほうがテーマになってます。wikipediaを見てみると、トルストイの妻は悪妻として有名だそうで、それに新解釈を加えた小説の映画化のようです。



狂言回しというか、目撃者役になるのはトルストイの秘書になる青年ワレンチン(ジェームズ・マカヴォイ)。自分の作品を「民衆のもの」にするため、著作権を放棄しようとする夫レフ・トルストイ(クリストファー・プラマー)と、それに反対する妻ソフィヤ(ヘレン・ミレン)の確執と愛情を中心に、トルストイを取り巻く人々が描かれます。ソフィヤと対立するのが、ワレンチンを秘書として紹介したチェルトコフ。トルストイの信者で、妻の目にはこの人が著作権放棄をそそのかしてるように見えています。ポール・ジアマッティがいつもながらいい存在感です。そして、主治医の役でジョン・セッションズも!(いろいろ出てらっしゃいますが、SHERLOCKがらみでは『グレート・ゲーム』でコニー・プリンスの弟役、『マーティン・フリーマンのスクール・オブ・ミュージカル』で主人公の恋人の父親役、ベネさんの『ホーキング』ではホーキングを指導する教授役をやっておられましたね)

対立やそれぞれの利害はあるものの、全員がトルストイを大切に思ってる点では一致してます。(プラマー様、愛されキャラっぷりもお見事❤)ソフィヤは夫として個人として愛しているし、チェルトコフは偉人として尊敬しているし……そしてワレンチンはその思想に心酔して秘書になるのですが、夫婦のいさかいとそれぞれの相手への想いを知る立場になり、別の視点を持つようになっていきます。

この人はトルストイの思想にのっとって暮らす共同体の女性と恋仲になり、そのへんはちょっとあまりに「お約束」な感じで、最初は余計な要素と見えました。でもラストを見ると、ただ単に後味をよくするため(これはもちろんある)という以上に、「レフとソフィヤの物語」が提起したものを鏡で映して補強する役割もあるのかな、と思いました。(どちらにしろ作劇上のレイアウトという感じは否めませんが…どうなのかな。都合のいいキャラどまりという印象で残念。まあ、あんまりこちらを描きこむと全体が散漫になる可能性もあるにはありますね)

どこまでが史実に忠実なのかわかりませんが、まったく「文豪の伝記映画」ではありませんでした。むしろトルストイの名前が邦題にあることで、人の足を遠のかせそうなのが損してるんじゃないかと思うくらい(原題は"The Last Station")。全体もとてもいい映画でした。見てて「これはプラマー様というよりヘレン・ミレンの映画ではないかー」…と思ったら、ラストクレジットも最初に出る名前はヘレン・ミレンでした。納得です。ネタバレは避けますが、ラスト近くの列車の中での表情とか、あちこちとにかく素晴らしい。ヘレン・ミレン座長公演です。いい意味で。そしてあの迫力と存在感をきっちり受け止めるレフの役には、格のある重量感とラブリーさが求められます。やはりプラマー様適役。ひげもじゃの最晩年だけど、色気のあるプラマー様が演じてることである種の説得力が生まれてます。単独の見せ場は少ないですが、ソフィヤと結婚したいきさつを語るところはすごく引き込まれました。俳優さんはみんなよかったし、脚本も(ワレンチンの恋愛のくだり以外は)すごくうまくて、夫婦の関係と共に、人物が偶像化されていく過程の皮肉も描かれて、重くない程度に重層的ないい映画でした。これがこう、と単純に言い切れないところがとてもいい。

ええと、トルストイについては、個人的には映画の「原作者」程度の認識で、代表作の『戦争と平和』も小説のほうは読んでないです。ご本人が伯爵様だったのも、トルストイ運動というのがあったのもぜんぜん知りませんでした。でもその思想がテーマでもないし、「なんかすごく尊敬されてる作家」であることは映画の中で十分わかるし、それでとりあえずは充分でした。でも、逆にどのへんまでが史実なのか、そして作品にもすごく興味がわきました。(ソフィヤに「男色家」と罵倒されてたチェルトコフが実際そうなのかとか。その場にリアルでゲイのセッションズさんがいるのが皮肉だなー…とかへんなとこにも食いついてました(笑))

余談ですが、エドワード・スノーデン君の話を映画化するとしたら、やっぱりマカヴォイ君似合いそうだなあ……と思いました。(ヒゲがね、そんな感じだったんです。今回(笑))

2014/09/06

パスティーシュ創作日記(えっ(^^;))

いやー蒸し暑いです!いったん涼しくなったあとだけにツライ。けどもう少しですよね、たぶん。うーん。なんか雷がゴロゴロ言い始めました。


プロット変更

…さて、午前はパスティーシュ『勝利者の庭』の続きをやりに喫茶店へ。ちょっとうまくいかないところがあって、どうしよう…と、ポメラで問題点から思いつきまでランダムに書き出し。…してたら新しいプロットができてしまいました。…というか、これまでバイパスだらけでそれぞれの血管を通ってる量がしょぼしょぼだったのが、メインを入れ替えて不要なバイパスを切り取ったら、メインの流れが力強くなった感じ。ここ数日、時間がとれても書かずに資料の読み直しに当てたのがよかったかもしれません。

ちょっとした会話シーンを二つほど書いてみて、ヴィクターのキャラも落ち着いてきました。最初考えていたのとちょっと変わってきました。(でもまだ変わりそう)
どうも、あらかじめ「こういう人」ときっちり設定してガーッと書いていく…ということができなくて困りものです。(^^;) …あくまで自分の場合ですが、シーンの場所とシチュエーションだけ決めて、頭の中でエチュードをやってもらって、出てきたものを見て「ああ、こういう人だったのか…」と書きながら認識していく感じ…このモードに入れると、わりといい感じに書ける気がします。(二次でもオリジナルでもわりと変わらないです)

逆にきっちり組んだプロットの通りに書こうとすると、「お芝居」にならなくて、ストーリーを説明する感じになりがち……これだとムリヤリひり出す感じで書いててもつまらないし、出来上がったものもあとで結局書き変えることが多いです。細部のエチュードから大筋も変わっちゃうので、変わるたびに以前書いていた部分を修正して進んだり戻ったり……。短いものだといいけれど、長いとあっちゃこっちゃのツジツマ合わせがたいへん。前の『追憶のシャーロック・ホームズ』のときも、この作業が半年くらいあったんです。もともとボヤッとした人間ですから一度や二度では気づけないことも多くて、とにかく寝かせては読み直し、書き足しては読み直しで整えていくしかなくて。(^^;)なかなか苦しかったけれど、この工程は時間を忘れて没頭できると楽しいんですよね。逆に「いつ出来上がるんだろう」とか、なまじ客観的になるとすごく苦しくなって、集中できなくなってしまう。なるべくそのへんは考えないようにしようと思います。(笑)

ヴィクター・トレヴァーとインドの茶園

…今回出てくるヴィクターはインドで茶園をやってるので、そこのあたりの当時の資料を読んできたわけですが…ある意味大英帝国の恥部に踏み込むので、資料少ないんです。ボーア戦争も少ないですね。そういうものなんでしょう。誇れる部分でないと残りにくい。それでも粘ってるうちに、ガンジーより前のインド独立運動系の資料も増えてきてすごくありがたいです。(時代背景としてこれが出てくるので)

普通「英国」「紅茶」で出てくるのは上品でお綺麗な世界なわけですが、当時どうやってそれが作られていたかはまったく別物。「茶園」はいわゆる悪名高いプランテーションです。現地で経営する人もラクではないですが、労働者ははっきり言えば奴隷並みだったようです。このへんの歴史はもちろん黒白で語れるものではないし、それがテーマの話でもないので、あくまで「ヴィクター・トレヴァーという人はどんな人生を送ってきたんだろう」……という切り口にとどめるように意識しています。(そのうえJUNEしばりもありますし。いちおう(^^;))でもこうなるとホームズさんより自分のなかで重みが出てきて、ちょっと困ってます。主役が彼になってしまう!

ホームズさんは(自分にとっては)、現実のリアリティーの地面から50cmくらい浮いたところにいる人なので、あまりこういうリアリティー(というか、現代的な観念や視点)を持ち込むとバランスが崩れる気がするんです。時代ものだから当然ですが、とくにホームズさんは独特のものがあって……。もちろんそういうアプローチのパスティーシュも、長い歴史のなかでは出てきたかもしれないですが…少なくとも自分にとっての「ホームズもの」になりにくい。このあたりのバランスが、挑戦しがいのあるところであります。(うまくできるといいんですが!)

(うーんと、こういうあーでもない、こーでもないということを書いてるのは、「うまくできたからこの調子で続けよう」と欲をかくと絶対ダメなんです。(笑) で、時間をおいて一度俯瞰してみようと……あまり記事としては面白くないと思いますが、まあ日記ということで(^^;))

2014/09/04

ショルトー少佐(アリスター・ペトリさん)プチブーム (Shakespeare in Love)

SHERLOCKシーズン3の第2話を見返して、ショルトー少佐がマイブームになってます!改めて見るとジョンのなつき方(笑)、シャーロックの嫉妬ぶり(はい?)、終盤のシャーロックの台詞「ジョン・ワトスンに対して、僕らは二人ともそんなことはしないだろう」へのリアクション等々…いろいろとツボにはまり、シーズン3ではあまり楽しめてなかった1本が、一転して萌えエピソードになってしまいました!(笑)

中の人アリスター・ペトリさんについて知ったのも大きいです!自分の備忘録も兼ねて、いろいろ貼らせていただきます~。

まずはこちら、今流行の(?)、アイス・バケツ・チャレンジ。現在出演中の舞台"Shakespeare in Love"(『恋に落ちたシェイクスピア』の舞台版!)のメンバーで行った映像をご本人がツイートしておられました。少佐とはまったく違う明るさが、ギャップ萌え属性にはテキメンでした!(笑)(アイコン写真が懐かしのマックス・ヘッドルームみたいでこれまたツボ♪)


役は映画でコリン・ファースがやっていたウェセックス卿だそうです。(きゃあ、片イヤリングはしないのかしらー♪(笑))ツイッターのプロフィールが「The Earl of Wessex」になっていたので最初ワケわからなかったんですが、舞台の役のジョークだったんですね。(笑)こんな楽屋写真が上がっていて、もう見たくてたまりません❤(ええと、昨今の写真借用のマナーがどうなってきてるのか不安なんですが、とりあえず元ページのリンク付きでご紹介させていただきますね)

ソースページはこちら。すごくいいノリで楽しそう~(笑)
http://fuckyeahdizzyandfranco.tumblr.com/post/95175810961/x

ダメ押しがこちら。やはり楽屋写真です…やられました。(なんだこの腐女子殺しな写真は❤(笑))

ソースページはこちら。共演者さんがtumblerに投稿なさったんですね。つくづく共演メンバーのノりがよそさう~(笑)
http://davidoakes.tumblr.com/post/94176706617/esmagofficial-david-oakes-alistairpetrie

ええと、こんな写真が出ましたが、ツイッターでは息子さんのネタとかつぶやいてらっしゃるので、ゲイティス兄さん系の組合の方ではないようです。念のため。(笑)



舞台のトレイラー、公式ページはこちら。




押し出しが立派なので似合ってますねー♪映画も好きでしたし、舞台版のレビューも高評価なのですごく気になります!ナショナル・シアター・ライブは会場がナショナル・シアター以外のものもやってくれるので、こちらもいつかやってくれないかなー…♪

そんなこんなで、今はプロフィールにある出演作をせっせと漁っております。いろいろ見てると、お顔がスティングとケルシー・グラマー(『そりゃないぜ!?フレイジャー』の)を足して2で割ったみたいで素敵ですー♪(笑) ドラマはまだ日本でソフトが出てないものもあるんですけど、ちまちま攻略していきたいです❤

余談ですが、Alistairってアリステア・マクリーンと同じスペルだし、そーいやキャンディ・キャンディのステアもアリステアだったよなー……とか(笑)脈絡なく思ってたんですが、映画の音声解説で名前が発音されてるのを聞いたら、「アリスター」のほうが近いんですね。これも発音に表記を近づけようという流れでしょうか。メディアによって表記ゆれの可能性はありますが、いちおういつも参照しているallcinemaさんにならって、「アリスター」さんで書かせて頂きました☆