2015/01/19

ゲイティス兄さんのニッポン鉄道の旅+懐かしの『SHOGUN』

昨年夏のマーク・ゲイティス氏の日本旅行、ぜんぜん報道がなくて「プライベート旅行だったのかー」と思ってたんですが、1/17付けのガーディアンページにどどんと特集記事が出たのをご本人がアナウンスしてくださいました。独占というか、カメラマン同行だからそもそもガーディアンの企画でしょうか。(まだ最後まで読んでないのです(^^;))とにかくようやく詳細が出ました。わーい❤


うれしくて勢いで冒頭だけ訳してしまったので、即席でこなれないですがとりあえず載せます。大カッコ[ ]は訳注、丸カッコ( )は原文にあるカッコです。ガイジンさん目線が面白いので、その雰囲気でわざと訳さずにカタカナで残してるところがあります。ご了承くださいませ。

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マーク・ゲイティスの日本縦断鉄道の旅

ずっと日本には行ってみたかった。理由はうまく言えないけれど。『007は二度死ぬ』や『SHOGUN』から、Tenkoクライヴ・ジェームズ・ショーにいたるまで、子供時代の影響は入り混じり、そこから生まれた印象は錯綜していて、熱狂的で、矛盾していた。それでいて美しいカルチャーは、ひそかに僕を魅了した。一つ、どんなガイドブックでも意見が一致することがある――八月には行くな。桜咲く春に行くといい。または秋、たくさんの緑の葉が燃え立つようなあかがね色に変わる。しかし蒸し暑い八月は避けろ――。とまあそういうわけで、昨年の8月9日、僕と友人のエマは出発したわけだ。

東京は、僕らが着いたとき巨大台風のしっぽにひっかかっていた。長いフライトのあと、すべてを押し流す雨のカーテンのなかを歩くのは、たいしたすがすがしい体験だった。目はむずがゆく、時差ボケでぼーっとしていたが、僕らはなんとか足をひきずり、東京国立美術館を見て回った。なんとなくすべて現実感がなく、カタカタいう奇妙な音が絶え間なく聞こえた。まるで誰かがいたずらにグロッケンシュピール[鉄琴]を鳴らしながら、僕らのあとをつけてくるようだ。やがてそれが、後ろの若い二人連れが出している音だとわかった。美しいキモノを着て、目もくらむほど白くてつま先が二つに割れた、ちょっぴり不気味なソックスを履き、ごろっとした木のサンダルが、彼らが歩き回るたびに独特の音を立てている。

必死で眠気を追い払いながら、僕らは食事のために小さくて感じのいい店を見つけた。メニューを決めるまでには、山ほど指さしたり笑ったり。それでもウェイターたちは親切で、僕らを助けてくれた。ほかの客との間は薄い仕切でさえぎられていたが、今ではけしからんとされるたばこの煙が、ぼくらのおいしい生のウズラ[のたまご?]の上を漂っていく。なんとも懐かしい感覚だ。僕らは激しい嵐のなかを車で戻った。東京は一転してぼやけたネオンの街だ。そして白い手袋をした運転手、しゃべる自動ドア付きの車。1970年代に描かれた未来から抜け出たようだ

翌日、ぐっすりと眠ったあと、朝食で出会ったのはやたらに謝るウェイトレスだった。「お待たせしてすみません」。彼女は頭を下げてはほほえみ、ほほえんでは頭を下げる。少しも待たせてなどいないのに。僕らは地下に降り、驚くほど清潔で効率的な地下鉄に乗った。このホリデー・シーズンはかなり空いていて、伝説的な押し合いへし合いはまったくない。最初に降りたのは、有名なツキジ・フィッシュ・マーケット[築地市場]。働く人々の世界と観光アトラクションの奇妙な融合だ。タコの足が砕いた氷のなかでのたうち回り、鉤を持った男たちが巨大な冷凍ツナ[マグロ]を切っている。まるでピンクのアラバスター[雪花石膏]の柱を切り分ける中世の職人だ。ツナ・フレークが床に飛び散る。捨てられるのか、それともセインズベリー[イギリスのスーパー]に送られるのかは知りようがない。

つづいて僕らは、たくさんの(ほんとにたくさんの)聖地のうち最初のものを訪ねた。革新的だった偉大なエンペラー・メイジ[明治天皇]を記念して建てられたもので、美しく設計された森の中の小道が、参拝エリアと神霊に願い事をするための小さなブースへとつづく。ほどなく、すべての神社がこれを備えていることがわかった。デパートの割引セールのように、神の恩寵をたたき売りしている。だけど大聖堂の売店で聖歌のCDを売ることと、これのどこが違うだろう? 作法として手と口をゆすぎ、願いごとを書き、木の板に吊るす。ここには少しばかり容赦のない商業化というものがある。君が訪ねるほかの多くの神社にもだ。

(つづく)

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美術館で遭遇した「キモノ」は浴衣かな?…でも足袋?…そんで下駄? そもそも台風の日にキモノ着て美術館に?…とかいろいろ気になりましたが、まあそうだったんでしょうね。(笑)

『将軍』の名前が出たのが、我が家でも夢中で見ていたので懐かしかったです。主演の三浦按針役だったリチャード・チェンバレンがめちゃくちゃハンサムで素敵でした。史実の按針さんはこんな方だそうです。

Wikipedia:  ウィリアム・アダムス (三浦按針)

(ちなみに中の人チェンバレンさん、69歳になってからカミングアウトなさったそうで……ってよけいなことはいいんですが(^^;))

Youtubeにブルーレイの宣伝映像があったので貼っておきます。うわ~なつかしい~❤



記事はまだまだ続いてます…今週はちと時間がとれないのですが、勉強1: 煩悩9くらいの気分で残りもボチボチ訳文を作ってみたいです…♪(間違いがございましたらご教示くださいませ。自分で見つけたらこっそり直します(^^;))