2016/08/14

ただの日記+『クィア短編小説集』+"Arrival"(『あなたの人生の物語』)トレイラー

ただの日記

3日ほど夏風邪気味でしたが、なんとかそれも抜けました。バイトと資料読みに明け暮れております。世の中はお盆休み、そしてコミケ最終日。地元の商店街では個人商店がけっこう休んでいて、人通りはあるもののお正月に次ぐのんびりムード。こういう空気は好きです。(自分がコミケ参加のときはそんなものを味わう余裕はないのですが(笑))夕刻の散歩では川の上にものすごい数の蝙蝠が乱舞していて、しばし見物してまいりました。風も涼しくて柔らかく、ちょっと秋の始まりを感じたひとときでした。

あ、先日お知らせしたKindle Unlimited経由で、ちらほらと既刊をお読みいただいています。ありがとうございます!読み放題無料体験のうちにぜひどうぞ。(笑)既刊すべて読み放題対応になっていますが、やはりお読みいただいてるのは追憶のシャーロック・ホームズ宇宙探偵ホォムズが中心ですね。お気に召していただけたら他の作品もぜひお試しくださいませ。夏休みののんびり読書のお供にしていただけたら嬉しいです。よろしくお願いします。


今日はバイトがないので、午前は秋・冬に向けた作品のひとり進捗状況会議(少し前から週イチで始めました)をして、そのまま新しいモチーフを入れた断片アイデアの書き溜めや資料探し・資料読みをしていました。かなり充実した時間でしたが、午前こうだとなぜか絶対午後同じ調子では進まないんですよね。カズオ・イシグロさんが書いてた「四時間で収穫逓減が始まる」ってやっぱりかなり当たってる。(笑)…そんなわけで、ブログに書きたかったことを散発的に書き出してみました。かなり溜まってるので今回では書ききれませんが、少しずつ消化していきたいです。

『クィア短編小説集』

まずは直近で、昨日ゲットした『クィア短編小説集』のこと。しばしばおすすめしている『ゲイ短編小説集』の監訳をなさった大橋洋一さんの監訳で、同じ平凡社ライブラリーのシリーズです。昨日存在を知って即、金欠を押してゲットしました!(笑)アマゾン見ると16日発売となっていますが、もう店頭に並んでました。



『ゲイ短2』を望む声もあったなか、今回はより幅の広い「クィア」の概念で作品が選ばれているようなのですが……目を引いたのはコナン・ドイル作品収録、とあったこと。何が入っているのか興味があったんですが、なんとホームズもので『三人ガリデブ』なんて直球な!(笑)それと『赤毛連盟』も入っています。ドイルせんせならホームズ以外のほうが萌えまくる作品あると思うのですが……マーケティング的選択でしょうか。でもゲイ短でも新訳だったと思われる『幸福な王子』にとても感動したので、今回の訳(ガリデブも赤毛も大橋洋一さん自身の訳)でなにか新しいニュアンスを感じるかどうか、楽しみです。

ゲイ短も「これのどこがゲイ小説?」という話を含めたラインナップで、でも腐女子から見ると見事にJUNEのツボを押さえたセレクトだったので、今回のほかの作品も期待しています。まだ冒頭に入っているメルヴィル作品『わしとわが煙突』に手をつけたばかりなのですが、やはり一筋縄ではいかないセレクトのよう……に思います。素直にこのままいくとしたら、坂田靖子先生のJUNE掲載マンガあたりを(つながりはほとんどありませんが)ゆるく連想しているのですが……まだどう転ぶ作品なのかわかりません。今は自分の作品の準備のためお楽しみ読書の時間をがっつりとれないので、合間に少しずつ読みながら、セレクトの切り口をアレコレ想像しつつゆっくり楽しみたいと思います。最初に巻末の解説を読んじゃうとある意味ネタバレ(?)なので今はガマン。(笑)

テッド・チャン原作"Arrival"トレイラー

母艦サイトのほうでアップしましたが、テッド・チャンさんの『あなたの人生の物語』の映画化作品"Arraival"、数日前に予告編が公開されました。こちらにも貼らせていただきます。


ちらほら出ている記事ではアカデミー賞狙いの11月公開とのことで、前評判も高いようです。SF作品でアカデミー賞狙いというのもすごいと思う。SF系では映像の新技術が売りになってそのあたりの賞を取ることも多いですが、原作を考えても、予告編を見てもそういう系統の作品にはならないと思いますし……。ああいう短編がちゃんと映画に「翻訳」されて評価されるとしたら、世の中捨てもんじゃございませんね♪(なんつて)

ちょっと前にネット公開されたチャンさん自身のインタビューでも映画について触れられていて、「典型的なハリウッド・ディザスターになることはなんとか避けられたように思う」と言ってらっしゃるのが嬉しいです。関連部分だけ拙訳で、元ページリンクと共にチャンさん情報コーナーに載せましたので、よかったらどうぞ。その他の部分もここ(日記ブログ)かどこかでまたご紹介したいです。とても良いインタビューなので。

テッド・チャン情報メモ
"Arrival"予告編 &インタビュー:映画化についてなど

ほかにここ数カ月で見た映画や本のお話など書きかけで溜まっておりますが、長くなりすぎるので(^^;)また改めて。


【2016/8/30追記】上述のインタビューからの創作論的な一部を、別サイトのブログでご紹介しました。

SUSSANRAP Kindle Books ブログ: 創作について(テッド・チャンさんインタビューから)

ここ(牛乃の日記(仮))との差別化で、創作関連の話題はなるべくあちらに、映画・二次等のミーハー話、個人的なアレコレはなるべくこちらに、と住み分けようと思っています。(^^;)よろしくお願いします。m(_ _)m

2016/08/04

キンドル・アンリミテッド始まり+ぷちクラッシュとセレンディピティ

Kindle Unlimited スタート

8/3から、アマゾンの月額980円読み放題が始まりました。現在30日間無料体験も行われています。うちの本はすべてそちらから読めますので、よかったらぜひ。kindle無料アプリでも登録できます。

Kindle Unlimited 読み放題

後述の理由でネットサーフィンを制限しているため、スタートを知ったのは当日の朝日新聞だったのですが、記事によると一度に保存できるのは10冊までとのこと。期限不定のレンタルみたいなものでしょうか。なのでずっと所有したい場合は普通の購入のほうが良いかもですが、大量に読みたい方で

「とりあえず中身読んでみないとずっと保存したいかどうかわからない」
「でも判断するのにサンプルでは分量が不足」

…という場合に、ザクザクとチェックを兼ねて読んでいくのにも良いかと思います。夏休みにたっぷり読もうと思っている方は、とりあえず無料体験してみるのも良いのではないでしょうか。(それほど使わないなーと思ったら、期限が来たら解除すれば料金とられませんし……(笑))

出版社等からは反発も出ているサービスで、たしかに立場により見方が違うのはとてもよくわかります。でも無名で本を作っている身からすると、気軽に試していただける機会が広がるのはありがたいことです。読む方から見れば、うちの本など海のものとも山のものともわからないわけですから。(笑)

配信側の立場では、本ごとにKDPセレクトという、電子版のアマゾン独占配信条件に登録することで、キンドル・アンリミテッドやキンドル・オーナーズ・ライブラリーで読める対象になり、そちらで読んでいただいた分の報酬も、(販売価格よりは低いものの)読まれた分量に応じた支払いがあります。つまりこのサービスの対象に登録する・しないは出版側が選べるので、シリーズの一巻だけ登録してみるとか、いろんな使い道があるのではと思います。

海外ストアでは以前からあって、うちの場合はしばしばそこから読んでいただいていたので、早く日本でも始まってくれないかなーと思っていました。ここからまた新たなご縁ができるといいなあ、と思っています。

ぷちクラッシュとセレンディピティ

さて、コミケに落ちたおかげで(笑)できた時間を有効に使おうと、現在ゆるい「クラッシュ」に入っております。(クラッシュについてはこちらの過去記事にて。カズオ・イシグロさんの用語を拝借した一種の「自主的缶詰状態」で、作品世界にどっぷり浸ることです)自分の場合はいっさいを代わってくれる奥さんなどいないので(笑)、創作の優先順位を上げてネットを覗く時間を減らす、情報を遮断して「真空」っぽくなれる時間を数時間~一日単位で確保する、という程度なのですが。もちろん「ココロのごはん」は適宜補給しております。(こういうときこそ必要、ということもありますね。ちょうど先日、ツイッターで藤原帰一さんがそんなことをつぶやいておられました。これから忙しいそうで、「映画なしには乗り切れません」と。大いに共感です(笑))

春から外でのバイトもしているので、一日丸ごと自分でスケジュールを組める日は減ってしまったのですが、かえってメリハリがついてる気がします。こういう時期は映画のほかにエンジンかけに役立つ本も大切なのですが、先日テッド・チャンさんがインタビューで言及していた、アニー・ディラードの『本を書く』という本が今すごく役に立っています。作業に入る前に数ページ読むとなんとなく落ち着いて、自然にものを書くモードに入れます。図書館で借りたのですけど、これは手元にほしいかも。

今回のぷちクラッシュは秋のJ庭合わせのイアンシリーズ新刊のためで、以前からそれに関連しそうな資料を集めたり読んだりしてきたわけですが……草稿を書き始めると方向が変わってきまして。集めた資料の半分くらいは今回はかすらないことになりそうです。(泣)でもようやく曖昧だった部分がわかってきたことにもなるので、新たに深掘りするためにいろいろ追加摂取しています。

こういうときはなんとなくの勘で出会ったものがよかったりするんですが、今回もそんなのが出てきました!掘り出したのは、昔父親が珍しく持っていた『銀塊の海』という小説の著者、ハモンド・イネス。(父は新聞以外はほぼ読まない人なので、子供心に印象的だったようです。自分は未読なので、今回元の文庫とは別でkindle化されていたもののサンプルを落としてみました。…面白そう!(笑))

ネットリサーチのなかで偶然名前を目にしたのですが、なんとなく著作リストを見てみたら、今の状態でピンとくる「北海などイギリス周辺を舞台にした海洋冒険小説」を書いておられました。(帆船時代とかだとさすがに古すぎるのですが、油田ブームの頃ならぎりぎり範囲なのです)過去の経験ではこういうセレンディピティで出会ったものは当てになるので、金欠中ですが(^^;)安い古書を注文しました。自分が書くのは「ゆるいマイルドBL」なので(笑)影響は限られると思いますが、ココロを北海に飛ばすのを助けてもらえればと思います。正直今この作業をしているようではJ庭はきついですが、ズレてもその次の目標がコミケになるだけなので、気を緩めず進めようと思います。

先日は神保町に行き、久しぶりに「ほんとの古本」の匂いをたっぷり吸って、同行してくださった方のおかげで掘り出し物もさせていただいたり(以前SHERLOCKの同人誌でご縁ができたミステリ作家の篠田真由美さん。お店もいろいろ教えていただきました)、やはりセレンディピティで目についた本を買ったりで、生き返った一日を過ごしました。(今思うと、その前にイネスの本に気づいていたらいろいろ漁れたのに……とも思います。これはキリがないですが(^^;))夏は苦手でここ数年は酷暑もあり、外出を控えていましたが、たまにはこういう句読点は必要だなあ……とつくづく思ったしだいです。まあ、涼しい秋がいろいろと「●●の秋」に理想的なのは変わりませんが。
ともあれ、暑い間も水分とともに、適度なココロのごはん摂取に気をつけたいと思います。摂りすぎても支障が出ますが、不足すると確実に干からびますから……。(笑)